ドラム・ライン

マーチング・ドラマーとして天才的な才能を持ったデヴォン。その才能に目をつけたA&T大学マーチング・バンド部のリー監督はデヴォンを特待生としてスカウトする。デヴォンは天才的なドラムテクニックで周囲を圧倒するが、自らの才能に溺れた言動や勝手な行動から周囲との軋轢が生まれていく…


 天才だが、チームを省みない自分勝手なドラマーデヴォン、そんなチームの和を乱すデヴォンが気に入らないドラムラインのリーダー、本物の音楽しか認めないと、流行の曲を採用せず大会に勝てないリー監督。各々の抱える問題をキレイに解決し、まとめた良い終わり方だった。


 やっぱり一番の見所は演奏シーンなんだけど、そこは文句なしにカッコイイ。シンバルを振り回すわ、でかい太鼓抱えたまま動き回るわ、ドラムを高速で叩きながらポーズ決めるわ、足が勝手にリズムを取ってしまうぐらいノれる。ダンスバトルみたいにお互いが交互に演奏して技を競い合うバトルチックな演出も非常に燃える。


 音楽という平和的なテーマでさえ、Hey!勝たなきゃ意味がねーんだ!あんなクソチームはぶっ倒しちまおうぜ!と闘争本能むきだしになるのはアメリカ的だなぁとつくづく思う。そりゃ日本が戦争に勝てないわけだわ。


 派手なユニフォームと光を反射しキラキラと輝く楽器。マーチングバンドの魅せるパフォーマンス。見るに楽しく聴くにも楽しい映画だった。良作。