E.G.コンバット


 学園生活、軍隊、人工知能を持った双脚砲台、いちいちツボに入るぜ。読み返すのは何度目だろう?めちゃくちゃ面白い。読み始めると止まらない。やっぱ秋山は天才だな。欠点はイラストと最終巻が出ないこと。ですとろーい。


 訓練施設のある月には女しかいないという萌えを狙いすぎたような設定に見えるが、この話に萌えなどカケラもない(あったとしてもイラストせいで萌えられない)。うら若い乙女が威力を抑えたスタングレネードを部屋に投げ込み、足りない備品を強奪していく!これはおそらく『マリアさまがみてる』の対極を行く作品だ。

 
 一巻ラストの緊急出撃訓練の盛り上がりなんて尋常じゃない。他の訓練生からいびられ続けてきた成績最底辺訓練生達の大活躍。喰らいついてくるエリート訓練生。もう熱い熱い。手に汗握る。

「EMPバラージ食らって、なんで動き回れるんだよ!? 流体脊髄自体は無事でもな、あれがコントロールしていた電装エイヴォニクスは全部死んじまってるはずだぞ!」
 キム・ヘンドリクス教官だ。目の前の訓練生につかみかからんばかりの口調。
「知りませんよそんなこと! ――あ!、もしかして、全部の設定をリセットして起動かけ直して、何もかもバイパスして全部手動でコントロールしてるんじゃ――すごい!!できるんですかそんなこと!?」
「こっちが聞きたいよ! 誰だ、どこの連中だ生き残ってるの!?」
カデナ隊とルノア隊です!!」

「接続完了!! 羽化反応感知、集積の位置確認!! アマルスさん!!」
訓練射撃SMF繰り返すリピート、訓練射撃!! 20670516、弾頭管制責任者、222D、アマルス・ヒホン伍長・救世軍サルベージョン・アーミー!!カラコルム条約免責条項第二十一条第三項該当の熱化学攻撃!!AJC弾頭アンチ・ジェネレーター・ケミカル・ウォーヘッド装弾ロード!!シーカー冷却!!」
 データレコーダーに記録されるカラコルム警告、。自分が口にすることなどあるまいと思っていた、そのくせベッドの中でいつも練習していた、リニアガン化学砲撃の免責宣言D&D。現実感ゼロ。まるで夢の中にいるような。アイピースにもう一度頭突きをくれて、アマルスはレシーバーに向かってというよりも自分自身に向かって叫ぶ。
総員レディース、中距離砲戦容易!!衛星照準でリニアガンぶっ放すぞ!!射撃地点まで突っ走るからな!!」


E.G.コンバット (電撃文庫 あ 8-1)

E.G.コンバット (電撃文庫 あ 8-1)