きゆづきさとこ『棺担ぎのクロ。』1巻

棺担ぎのクロ。~懐中旅話~ (1) (まんがタイムKRコミックス)

どことなく漂うクラシカルなゲームの匂い。

棺おけを背負った黒尽くめの旅人の物語。
冷たい人間だと思わせておいて実はイイ奴っていうベタなキャラ設定。
ストーリーもどこかで見たことあるようなものの詰め合わせ。
しかし絵のクオリティだけは一線を画している。

『GA-芸術科アートデザインクラス』でわかっていたけど
イラストとしてのクオリティは非常に高い。雰囲気が出てる。
でもそれがちょっと勝ちすぎのような気がする。
漫画というよりイラストの繋ぎ合わせっていう印象。
あんまり漫画って感じがしない。
漫画を描くために絵を描いたんじゃなくて
描いた絵を漫画みたいにしてみました、的な。

普通の漫画として楽しもうとすると違和感を感じるんだけど、
イラストとシナリオが作り出す空気を味わおうと思えば結構楽しめる。かも。
（そもそも俺が4コマ漫画を楽しむ作法を知らないのではないか？）

漫画ではなくて、この人が描く絵本が見てみたい。
すごくしっくり来ると思うんだよなぁ。
紙芝居でも可。

夜麻みゆきの「オッツ・キイム三部作」をふと思い出した。