小川一水『時砂の王』

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)


 すごいね.何がすごいかって,この面白さを600円で享受できるってところがすごい.本当にいいの?600円で?(『刀語』の質と値段に相当の不満を抱いているようです)


 ここ最近読んだ本の中では群を抜いた面白さ.さすが小川一水,役者が違う.


 人類を外敵から救うために,何度も何度も敗走を繰り返しながら戦い,身も心もすり減らす戦闘知性体がもう健気で健気で.ごめんねー!造物主なのにバカでごめんねーって謝りたい.んでもって飾り物の王であったもう一人の主人公卑弥呼が国を知り,民を知り,これらを守ろうと本物の王へと成長していく様も涙を誘う.ラストシーンで自らが泣く事を許さず,民を救うために声を張り上げるシーンの感動といったら.泣いた.こりゃ泣くよ.人の上に立つもの,「王」の行動だよ.あー,おもしれぇおもしれぇ!


 あとでもう一度読み直そう.