『MOTHER3』

奇妙で、おもしろい。
そして、せつない。


 確かに、相変わらず独特な(奇妙な)世界観を持つゲームだなと思う。この奇妙な感覚を引き起こす要因は、おかしなセリフ回しであったり、ゲームの登場人物であるという事を自覚しているメタ的な発言であったり、意味のないギミックであったりするのだろう。FFやドラクエといった超王道なゲーム、システム、世界観にまったくと言っていいほど囚われていないというところが貴重だと思う。


 今作も『MOTHER』シリーズの持つ独特な雰囲気は持っているが、前作の2ほど面白いとは感じられない。この理由は、俺が『MOTHER』シリーズに求めているのは”子供たち”の冒険だからだ。力のない(社会的なと言えばいいのだろうか?なんというか大人からは軽んじて扱われてしまうような感じ)子供たちが、世界の危機に立ち向かうから面白いと感じるのだ。例えばFFやドラクエなんかは名声を持っている大人が主人公だから、周りの人間は大抵の場合好意的だし、優遇されるけれど、『MOTHER』シリーズなんかは、子供だからって理由でお店にすら入れてもらえなかったり、相手にされなかったりするのだ。こういう子供ゆえにぶつかる壁を乗り越えていくっていうところが俺にとっての『MOTHER』の面白いところ。今作ではパーティに普通に大人がいるから、これがない。だからなんか俺の期待してたものじゃないって感じてしまう。


 一風変わったモンスターも『MOTHER』の特徴だけど、今作は動物と動物をくっつけただけのモンスターで、安直すぎるなぁという印象を受ける。また、DSでのプレイでは、スタートボタンが押しにくく、メニューを開くのが億劫。舞台が狭すぎて閉塞感も感じられる。


 今作はどうも合わなかった。これをやる時間があるなら『MOTHER2』をもう一回プレイしたい感じ。というわけで、まだ途中だけど投げる。


 

MOTHER3

MOTHER3