半分の月がのぼる空


 なかなか面白かった。何の憂いもない完全無欠のハッピーエンドではないものの(だからこその「半分の月」なんだよね)、引っかかりが残るような終わり方ではなく、奇麗に幕が引けた感じ。


 学校に行ったことがないという里香を、みんなで協力して連れて行くっていうイベントは、入院ものなら必須だよね。惜しむべくは、裕一の友人達と里香が仲良くなってるっていう描写が無かったこと。裕一以外にも友達ができればよかったのに。原作はどうだったんだろ?


 気になったことは、ストーリーの重さに対してキャラが軽すぎる、というか密度が薄いというか。なーんかキャラが薄っぺらく感じてしまって、主治医が裕一を殴ったりだとか、泣いたりするシーンは白けてしまった。逆に文学作品の引用っていうのはストーリーの重さと釣り合って良い演出だったと思う。アニメになっちゃうと文庫より心理描写が減っちゃうんだろうな。多分文庫読んだ方が面白い作品なんだろう。原作かじってから観ればよかったかな。


 ちっちゃい頃から入院してるヒロインって清楚で大人しいっていうイメージがあったんだけど、ツンデレも、いいね。ありだね。でも一番好きなのは美沙子です。エロいから。