海の底

海の底 (角川文庫)

海の底 (角川文庫)

『空の中』がえれー面白かったからこれも間違いなく面白いはずと思って読んだら
予想に寸分違わず面白くてすげー清々しい気分。危うく奉納しそうになる。
内燃排気!内燃排気を稼ぐんだ!


おぉー、これ結構取材してんだろうなーと感じさせるリアリティと
その材料をうまくエンターテイメントに落とし込む巧みさは
小川一水の小説を読んでいるような気分。面白い面白い。止まらない。


人間を食べる怪獣が現れてパニックになる横須賀。
現代兵器を使えば倒せるものの、政治的・外交的な問題により
自衛隊が出動できないというもどかしさと
潜水艦に籠城するトラブルメーカー実習幹部二人と子供たち
米軍の情報を集めるネット軍事オタク
武器を持たないまま防衛線を守り抜く機動隊と怪獣の正体を探る研究者
などの様々な視点から事件を追いかける構図がたまんなく面白れぇ。


あのクソガキをどのようにオチをつけるとハラハラしていたけど
綺麗にすっきりオチをつけてくれてホッとした。
あとマスコミの扱いがデフォルトでゴミみたいで良かった。