飛浩隆 - 象られた力

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

タイトルが読めてなかった。
なぜか「いろどられた」だと思っていた。
全然違うじゃん。
「かたどられた」じゃん(アホです)。



謎に迫っていくまでの過程は楽しいのだけれども
真相がわかった後のオチがいまいち好みじゃない。
なんかこう、真相に近づくにつれ練り上げられたというか蓄えてきた熱量が
綺麗に霧散してしまうような感じで。
もしくはバッドエンドチックなところが気に入らないのかも。
「夜と泥の」なんて特に。


テラフォーミングされた惑星で
機械と自然と惑星の意思が紡ぎ始めた神話を
友人と2人、酒を飲みながら見入るっていう
すげーいい雰囲気のまま終わらせて欲しかった。


いや、トータルで見て、この本は面白かったんだけど。
グラン・ヴァカンスも読みたい。
読もう。





「象られた力」の
造形物から「何か」を読み取って行くっていうプロセスが刺激的で面白く
似たようなヤツをどっかで読んだよなぁと思っていたら、管浩江の『永遠の森』だった。
最終話ラブ・ソングに震えるものがあったなぁ。もう一度読み直そう。