新ジャンル。邪気眼ハーレム『AURA 〜魔竜院光牙 最後の闘い〜』闘わなきゃ!現実と!

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)


滝本竜彦の現出により始まった21世紀における「オタと現実(世間とか一般とか普通とか)との闘争」は
げんしけん』などにより各地で拡大を続け、この『AURA』は、その闘争の最前線であることに疑いはない(ほんとかよ)。




本作の素晴らしきは
1クラスの過半数邪気眼にしようという発想とバランス感覚。
まず、妹が12人だとか美少女中学生30人だとかのハーレムものは数あれど、
邪気眼を15人集めるっつー歪んだハーレムセンスは相当にぶっ飛んでて非常によろしい。
そして邪気眼保有者が1クラスの過半数リア充グループと普通グループを抑える最大勢力)という
過去に例をみない勢力配置のせいで、面白い戦局となっている。




しかし、最終的には
狭量な価値観に支配された現実に膝を屈することを是とし、


邪気眼卒業おめでとう!
普通の人になれそうで良かったね!


という形でハッピーエンドになるのだけれども、
それがハッピーエンドでいいのか?っていう気がしないでもない。
負けてるよね。現実に。世間に。
邪気眼邪気眼のまま現実・世間に打ち勝ち、幸せを掴む、そんなハッピーエンドはないのだろうか。