etude-そして明日の世界より 追記

そして明日の世界より― 初回限定版

そして明日の世界より― 初回限定版

世界の破滅を知りながら、その運命に抗わない物語。
何故か。
主人公はただの子供だから。
世界を救う力を持ち合わせたヒーローではないから。
故に、主人公に出来ることは、運命を受け入れ日常を守ることだった。
優しく、穏やかで、暖かい、そんなありふれた素晴らしい日常を。


死の恐怖に塗りつぶされ連鎖的に巻き起こるパニック
なんてものはなく
生死を賭けた一発逆転の大勝負
なんてものもなく
世界が終焉するその瞬間すらも描かれない。


ここで描かれるのは
世界の破滅を知る少し前から
世界が終わるその少し前までの
優しく幸せな時間だけ。


少年漫画脳な俺は
破滅へと向かう運命を良しとせず、
ありとあらゆる手段を講じ
最後の最後まで抗う物語を欲していた。
運命に打ち勝ち未来を掴み取る物語を。


望むものが違っていたためあまり面白いとは感じなかったが
そういうものを取り払って見てみると、これはこれで良い作品だったと思う。
まぁ俺には合わなかったんだけど。