バッテリー


 こいつらが中学生?うそだろ?大人すぎる。特に主人公の巧なんてストイックすぎて本当にこの前までランドセルしょってたのか疑わしい。嫌だよこんな中学生。重い。


 すごい球を投げるためだけに余計なモノを全て削ぎ落としてるような巧とか、巧の球を捕るためにキャラが変わっちゃう豪とか、幼馴染の才能に嫉妬し続けてきた瑞垣とかさ、ここらへんの主要人物って野球を楽しんでるように見えないんだよなぁ。楽しいから野球やってる!みたいなレベルじゃない。なんかすげー色々考えて、悩んで、もがいてるね、中学生のくせに。そこが気に入らん。俺が中学生の頃はこいつらの三分の一も物事を考えてなかった自信があるね。もしかして子供の頃から野球やってる人は、みんなこのレベルで物事考えてるのか!?すげぇな野球少年。


 ことあるごとに「こんな中学生がいてたまるか」と反発してしまうので、共感とか感情移入とかまったくできなかった。主人公は最初から才能開花してるから試合におけるドキドキ感とかあんまりないし。あと「勝負の結果はみんなで勝手に想像してね」、みたいなラストも気にいらない。


 つまらなくはなかったけれども絶賛されるほどの面白さは感じなかった。原因は俺がひねくれているからだろう。普通の人が読めば普通に面白いのではないだろうか。うちの彼女は面白いって言ってたし。

バッテリー (6) (角川文庫)

バッテリー (6) (角川文庫)